女性でも?女性だから?十人十色な「女性起業家」と、起業に役立つ情報まとめ

クラウドワークス

昨今、世界中で女性の活躍が認められています。2020年1月、ゴールドマン・サックスのCEOは「経営層に白人男性しかいない企業のIPOは、今後担当しない」と衝撃的な発言をしました。この背景には、アメリカ国内におけるある事実が関係しています。女性が経営層に入っている企業の業績は、そうでない企業より“著しく良い”というものです。遡って2019年には、グーグルが「スタートアップ施設の立ち上げにおいて女性起業家の支援に特に注力する」と発表、ビル・ゲイツ氏の妻であり慈善事業家のメリンダ・ゲイツ氏は10億ドルを男女平等の推進に寄付するそうです。これまで以上に女性が起業しやすい風土作りが、着々と進められています。

日本の女性起業家たち

「アメリカと違って日本社会では女性は認められにくい」という意見がありますが、果たしてそうでしょうか。女性起業家や女性マネージャーへの期待は、何もアメリカ国内や世界的大企業に限ったものではありません。実際に自ら組織を作り上げた、日本国内の女性起業家にフォーカスしてみましょう。彼女たちは女性であることをむしろ強みとしているようにさえ見えます。

キャリアを生かして起業

男性に勝るとも劣らないバイタリティと実行力。積み上げたキャリアや経験を武器に、さらに活躍の場を広げる女性起業家たちがいます。
ちなみに起業に最適なキャリアとしてよく挙がるのは、コンサルティングファーム・リクルート・ベンチャーです。
https://factlogic.jp/carrier-for-starting-business/
知性あふれるバリキャリ女性が思い浮かびますね。

DeNA 会長 南場智子

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO45996320S9A610C1000000/
南場さんは言わずと知れた女性起業の先駆者。「コンサルティングファームでの経験は役立たなかった」という言葉は有名ですが、仕事への姿勢や追求心はマッキンゼーで叩き込まれたと実感しているそうです。

株式会社CREETE 代表取締役 小越 干富美

https://sogyotecho.jp/creete/
大手総合人材会社での経験から、大学や学生の抱える様々な悩みに着目。起業のいち担当者として顧客と接しながら、社会のニーズを肌で感じていた小越さん。その感覚を信じ、ニッチな分野に幅広くサービスを提供し続けています。

株式会社GMC 代表取締役 早川恵

https://sogyotecho.jp/gmc/
薬剤師のエキスパートが起業してまで追究しているのは、副作用が無く効果と実感を得られる健康食品。薬を「処方する」薬剤師と「される側」の患者。どちらの経験もある早川さんの知識の深さと視野の広さが、今の経営に活かされています。

学生起業

先ほどの3名とは対照的に、社会に出る前に会社を立ち上げた女性たちもいます。社会人としてのキャリアは無くても好きなものや得意なことが見つかれば、それが事業を始めるきっかけに繋がっているようです。失敗してもそれを糧に次にすすめるのも「学生起業」の強みかもしれません。学生起業のメリットをまとめたこんな記事もあります。
https://suke10.com/article/8036
「学生」というだけで話題にもなりやすいですから、経営者の存在自体が企業の若さと勢いをアピールする広報宣伝材料となりますね。

ウツワ 代表取締役 稲勝栞

https://www.projectdesign.jp/201803/design-20/004599.php
「ハヤカワ五味」としても有名な稲勝さんが起業したのは、多摩美術大学在学中のこと。自分が「欲しい!」と思うものを作り続け、売上1千万円を突破した時点で法人化に踏み切りました。

株式会社Coupe 代表取締役 竹村恵美

https://sogyotecho.jp/coupe-megumi-takemura-interview/
アプリ開発会社へのインターンがプログラミングの原点。初めて作ったウェブサービスが、今につながっているそうです。当時大学生だった竹村さんは、就職か起業か悩んだ末、サイバーエージェントの内定を辞退して株式会社を立ち上げました。

ハイカテ 代表 中山そら

https://diamond.jp/articles/-/200626
現役受験生に一番近い存在として、中学2年生で家庭教師サービスを開始した中山さん。16歳未満なので個人事業の扱いですが、税務署に届け出も済ませている立派な経営者です。そらさんが代表を務め、母と姉がスタッフとして協力するという「家族運営」の形を取っています。

主婦から起業

世の女性の多くは、輝かしいキャリアも学生のような若さもない「普通の主婦」だったりしますよね。
起業とは縁遠いように思えますが、ちょっとしたきっかけをつかんで「チャレンジしてみようかな」と主婦から起業家になった女性たちがいます。
日常生活で役目を使い分けている主婦だからこそ、経営に役立つ視点もあるようです。
https://vision-bizmarket.com/media/knowledge/knowledge00063/
家事や育児を担う奥様やママさんたち。主婦起業のポイントは、まずは小さく始めることと家族の協力。仕事と家事育児の両立が最大のテーマです。

ママのアイディア工房株式会社 代表取締役 鈴木未夏子

https://kigyosapri.com/kigyo/note/3000/
3人のお子さんのママでもある鈴木さん。起業のきっかけとなった「便利グッズ」のアイデアは、日々の生活から生み出されました。日常を楽しみながらひらめきを大切にし、主婦ならでは女性ならではの視点を大切にしています。

株式会社アイエフラッシュ 代表取締役 南まゆ子

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0803/katachini/201706.html
大学卒業後は就職に失敗してアルバイト生活、24歳で結婚して家庭に入った南さん。自宅で始めたホームサロンが反響を呼び、今では店舗数も増え続けています。子育てと仕事の両立を支えてくれたのは、近所に住むお母さま。一人で頑張り過ぎないことが成功の秘訣のようです。

株式会社オアシス 代表取締役 澤智子

https://onlystory.co.jp/stories/2145
専業主婦として、365日24時間家事を頑張っていた澤さん。「スキルも資格も無い主婦は、就職したくても面接にすら呼ばれない」という現実に、家事に明け暮れた日々を否定されたようでショックを受けたそうです。「掃除」を家事からサービスに高めようと思いつき、今は「掃除」の概念そのものすら変えようと取り組んでいます。

女性起業家コミュニティ

先輩方に倣って「私も起業しよう!」と思い立っても、不安や疑問は尽きないもの。女性だからこそ感じる悩みを相談したり、情報をシェアできるコミュニティをご紹介します。

ウーマンネットアカデミー&コンサルティング

https://www.womanetacademy.com/
丸山恵子さんが代表を務めるウーマンネット株式会社が運営するコミュニティ。若い女性起業家が対象です。メンバーのITスキルアップの向上に力を入れ、新しい仕事の在り方や働き方を提案しています。子育てや家事といった女性の役割を前向きに受け止め、子育ても仕事も人生を丸ごと楽しむ女性を応援するコミュニティです。

エメラルド倶楽部

http://www.ej-club.jp/
一般社団法人エメラルド倶楽部が運営する、全国規模の女性コミュニティ。代表理事は株式会社NATULUCK代表取締役の菅原智美さんです。全国のみならず韓国にも支部を持ち、ヨーロッパやオーストラリアなど各国の女性経営者団体と提携しています。ハイスペックな女性起業家が数多く参加しており、月1回ランチ会も開かれています。

女性起業家支援わくらく

https://wakrak.com/
関西を中心に活動している女性起業家コミュニティ。「仕事(ワーク)を楽しむ(ラク)」で「わくらく」です。運営しているのは有限会社パワーエンハンスメントで、代表取締役の三根早苗さんは15年間で1100人の起業をサポートしてきました。起業相談・起業塾・コンサルティング・コワーキングスペースと活動は幅広く、個性豊かなメンバーが参加しています。

女性起業家におすすめの助成金・補助金・資金調達制度

起業をめざす女性の大半は「お金」の問題にぶつかるのではないでしょうか。自己資金だけでは心もとない時、頼りになるのが助成金・補助金をはじめとした資金調達制度です。上手に活用すれば大きな味方になります。助成金や補助金を探すには、情報提供サイトが便利です。

未来の起業★応援サイト「ミラサポ」

https://www.mirasapo.jp/
助成金や補助金も検索しやすく、情報はテーマ別に整理されていて読みやすい作りです。中小企業庁から委託を受けた民間企業が運営しています。

経営課題を解決する羅針盤「J-Net21」

https://j-net21.smrj.go.jp/
中小企業基盤整備機構が運営する、中小企業向けの情報提供サイト。旬のキーワードから最新情報をチェックできるので、世の中の動きがひと目で分かります。
助成金や補助金をはじめとした融資情報は、都道府県別に見やすく整理されています。

補助金申請システム「Jグランツ」

https://jgrants.go.jp/
経済産業省が運営するサイトで、国や自治体の補助事業が全て掲載されています。最大の特徴は、ここからインターネット経由で補助金の申請や届出ができること。紙での申請や郵送手続きは、もう必要ありません。

・助成金とは

「助成金」とは厚生労働省が管轄している支援金のことです。受給要件を満たしていることが必須条件になりますが、返済義務はありません。条件を満たせば受給できるものがほとんどで、支給額は一律で決まっており後払いです。募集期間は制度によって異なりますが、比較的長めに設定されています。スケジュールに余裕を持てるのが嬉しいですね。

・補助金とは

「補助金」とは経済産業省をはじめ、商工会議所や地方自治体などが実施する支援金のことです。こちらは受給要件を満たしていることに加え、審査を通過して良案と認定された場合に支給されます。支給額は実際の支出額から算出され後払いです。応募時期も限定されているので厳しい印象ですが、事業計画に自信のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

・その他の資金調達制度

女性起業家を応援する制度を利用したり、ビジネスコンテストに応募してみるのもいかもしれません。法人の力を借りずに夢を実現するならばクラウドファンディング。一時期ブームでしたので、出資者として経験した方も多いのではないでしょうか。

女性、若者/シニア起業家支援資金

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/02_zyoseikigyouka_m.html
女性や若者、シニアの起業を支援することを目的とした融資制度です。日本政策金融公庫が実施しています。女性ならば年齢問わず、新たに事業を始める方または事業開始後約7年以内の方が対象です。

DBJ女性新ビジネスプランコンペティション

https://www.jeri.or.jp/wec/competition/
女性起業サポートセンターが開催している、女性起業家を対象としたコンペティション。受賞者には最大1,000万円の事業奨励金が支給されるほか、計画実施のためのサポートが受けられます。女性経営者による開始5年以内の事業が対象です。

クラウドファンディング

https://www.crowdport.jp/news/4026/
起業家などが事業計画を公表して、不特定多数からお金を集めるのが「クラウドファンディング」。今ではいくつものサービスが登場しています。それぞれに特徴があるので、プロジェクトに合ったサイトを選びましょう。

まとめ


冒頭でも紹介した通り「女性の活躍」は世界的に認められており、日本国内にも夢を掴んだ女性たちがたくさんいます。女性の役割分担に縛られ歯がゆい思いを感じがらも、男性に負けないアイデアで事業を生み出した女性たちもいました。助成金や補助金は男女問わず門戸が開かれていますし、女性に特化したコミュニティやコンペティションも存在します。こうしてみると「女性」ということは起業においてプラスにこそなれ、何のネックにもならないのだと思わされます。この記事を読んでいる皆さんの中からも、日本を代表するような素敵な女性起業家が誕生するかもしれませんね。