【Webサイト制作者必見】トラブルを回避するための正しい引用方法

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Webデザイン

Webサイトを使用している方の中には、写真や他サイトの良い文章を引用してページを作成するという方もいるのではないでしょうか。しかし、正しい引用方法を知らないままサイト制作をおこなうと、著作権侵害により罪に問われてしまうこともあります。本記事では、Webサイト運営でトラブルに発展しないよう、ネット記事を制作するために必要なで正しい引用知識を紹介します。ぜひ参考にしてください。

あなたのサイト、著作権違反になっていませんか?

Webサイトの記事を作成するために、個人的な意見を反映するだけでは文章に信憑性が足りないことがあります。信憑性を高めるために、文章や画像を引用することで文章の信頼性を高め、満足度の高いコンテンツを提供することができます。しかし、引用方法を正しく理解していない状態で多用していると、知らないうちに著作権侵害の文章を作成してしまうこともあります。

Webサイトで他のサイトなどから画像や文章を使用すると著作権侵害に

他サイトの画像や文章を、引用の手順を無視して使用してしまうケースは注意が必要です。ルール通りに引用をしておかないと、場合によっては著作権侵害に該当し、訴訟問題に発展してしまうこともあります。

正しい引用方法とは

引用をするためには、正しい引用方法が必要になります。どのような方法で正しい引用をおこなうべきか解説していきましょう。

画像の引用方法

ネット上にアップロードされている引用画像で大切なことは、肖像権使用同意書が取れている画像を使用することです。簡単に説明をすると、どのような画像を使用する場合でも、無断で使用すると著作権侵害に該当する恐れがあります。そのため、次のような方法で画像を引用するようにしてください。

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承諾を得た画像であれば、引用しても著作権違反になることはありません。知人をはじめすぐに連絡が取れるような方の画像を使用する際は、事前に承諾を得て画像を引用しましょう。

写真素材サイトを利用する

最近では写真素材を提供しているフォトストックサイトから画像を取得し、自身のブログやサイトに画像を使用するというケースは珍しいことではありません。フォトストックサイトの中には、無料で利用することができるサイトも登場しています。これらのサイトは便利な反面、商用利用の禁止、被写体の肖像権が不明瞭、表記元の明記など、サイトによって独自ルールが存在し、ルールを無視して使用するとトラブルになることもあります。
そのようなトラブルを回避するために、肖像権使用同意がしっかり取れている有料のフォトストックサイトから画像を引用するようにしましょう。

文章の引用

文章の正しい引用方法を紹介していきましょう。文章中に他のサイトの文章を引用したい時は、次のポイントを意識して、引用するようにしてください。

フォントの色を変える

引用をする際は、必ず引用箇所を強調させるようにしてください。強調の方法は、次のようなやり方です。

  • ・フォントを変える
  • ・“”、【】などの括弧を使用し、引用していることがわかるようにする
  • ・文章の最後に出典元を記載する

本文と引用箇所がどこかを明記して、誰が見ても他のサイト、書籍から引用したことがわかるようにしてください。

既に公表されているものから引用する

個人間でやりとりしている手紙、未だ学会などで公表されていない文章は引用としては有効ではありません。市場に出回ったかどうかを判断基準にし、引用するように心がけてください。

出所を明記する

引用をした場合は、出どころをはっきりと紹介する必要があります。その際は、必ず著作物名、著作者名、出版社名、掲載ページを記載するようにしましょう。ホームページから引用する際にも同様で、URLの掲載だけでなく、ホームページ名、記事のタイトル、日付をしっかりと記載するように心がけてください。

そのほかの注意

その他、次のようなポイントにも注意してオリジナルコンテンツを作成するようにしてください。

  • ・オリジナルコンテンツよりも、文章を多くしない
  • ・オリジナルコンテンツを説明するために必要性である
  • ・フォトストックサイトに表記規定があれば、あ文章と同様に引用元を明記する

このような点を意識して引用すれば、著作権侵害に該当する可能性は低くなります。しかし、これらの対策をしても絶対に問題ないというわけではないので、専門性の高いサイトを制作する方は、一度専門家にサイトを見てもらい、著作権侵害に該当していないかどうかチェックしてもらうようにしましょう。

著作権侵害に該当するダメな引用例

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著作権侵害をしているNGな引用例とは、一体どのようなものをさすのでしょうか。具体的な例文を使用して解説をしていきましょう。架空の設定ですが、次のようなサイトから文章を引用しようとするとします。

  • ・モータースポーツ社によるF1の独占インタビューが掲載された雑誌
  • ・雑誌に記載されていた以下の文章を使用することで、ホームページのコンテンツをより信頼性の高いものに作ることができる
    • 文章例
      先日行われた日本グランプリで、ポールトゥーウィンで圧倒的な強さを示したレーシングフォラーリ。フォラーリ強さを解明すべく、我々は代表ミニッツさんにインタビューをおこなった。強さの秘密を聞くと「去年のパワーユニットトラブルがこの勝利をもたらした。パワーユニットを開発したメカニックとドライバーの勝利だ。私は何もしていない」
      10月27日 モータースポーツ社 インタビュー 
      この文章を次のように引用をすると著作権違反に該当します。

      引用箇所がわからない

      フォラーリの強さの秘密は、モータースポーツ社の独占インタビューで判明しました。記事ではこのように答えています。「去年のパワーユニットトラブルがこの勝利をもたらした。パワーユニットを開発したメカニックとドライバーの勝利だ。私は何もしていない」
      この文章を掲載すると、製作者がフォラーリにインタビューをしてしまったかのような表現になっています。引用では、“”などを使い、どこから引用箇はっきりさせるようにしましょう。

      内容を大きく変える

      10月27日発売されたモータースポーツ社の雑誌○△によると、「私は何もしていない。パワーユニットを開発した技術者のおかけだ」
      引用した箇所を意図して変更する文章は正しい引用とは言えません。引用箇所をそのまま使用する必要があります。
      この他にも、参考文献を明示していないものや、引用する必要性のない文章を引用することはおすすめしません。引用を使用する際は、このようなNG例に該当しないよう気をつけて使用するようにしてください。

      著作権侵害になるとどのような罰則があるのか

      著作権侵害は親告罪のため、著作権所有者が、告訴することで著作権侵害を主張することができます。実際に自身の作成したサイトで著作権侵害に該当するような行為が見つかってしまった場合、どのような罰則が与えられてしまうのでしょうか。

      商用利用で著作権侵害をした場合

      個人が利益のために(商用利用)他サイトの著作権侵害をおこなうと、次のような罰則に問われます。
      ・10年以下の懲役または1000万円以下の罰金
      一方で個人ではなく、法人が同様に著作権を侵害した場合は罪が若干異なり、1000万円以下の罰金ではなく、3億円以下の罰金が課せられてしまうので注意が必要です。

      個人利用でも著作権侵害に

      私的目的でサイトに、無断でアップロードされていると知っている画像などをアップロードすると、著作権侵害として、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が課せられることがあります。
      参照
      https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime8.html

      著作権侵害になった事例集

      実際に著作権侵害に該当した事例をご存知でしょうか。ここからは実際にあった事例を参考にして、著作権侵害が罪として該当することを紹介します。

      事例1 法人サイトが作成した文章を個人で利用

      事件概要
      平成20年7月23日から平成21年1月23日まで、副業として運営していた健康食品の売り上げを増加させるために、法人サイトが作成した健康に関する文章を163回にわたり掲載。企業側が文章の削除要請を男性に依頼するも、男性は無視しため著作権侵害として逮捕されました。
      罰則
      男は30万円の罰金刑が言い渡されました
      参考
      http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2009/0904.php

      事例2 法人ぐるみで犯行

      事件概要
      医学、看護学に関連する書籍の文章を、そのままサイト上にアップロードし、ネットに掲載をしていた人材紹介サイトを運営する法人が、著作権侵害の疑いで送致されました。調査により、平成27年2月から平成29年12月までの間違法アップロードはおこなわれ、その間に350万回無断アップロードされた文章が閲覧されていることがわかりました。
      http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2018/1215.php

      事例3 「ネタバレ」サイト運営者を逮捕

      発売前の漫画作品の画像やセリフが掲載されているまとめサイトの運営が著作権違反として逮捕されました。逮捕者は7月の秋田県の運営者を含む2名が、9月には沖縄県の運営者を含む3名が逮捕され、数ヶ月のうちに合計5名が逮捕されました。秋田のネタバレサイトのアリフィエイト広告で少なくとも3億円近い収益を、沖縄では7400万円近の収益を得ていることがわかりました。
      http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2017/1202.php

      著作権侵害事件から学ぶべきこと

      このように、自信の制作したサイトの著作権侵害により逮捕されているケースはいくつもあります。これらの著作権侵害事件の共通点は次の通りです。

      • ・アクセス数、アフィリエイト広告などサイトの利益につながるためにおこなっていた
      • ・意図的に違法行為をおこなっていた
      • ・権利者側の申告により警察が調査。その結果突然逮捕に至るというケースもある

      著作権侵害を意図的におこなっていないとしても、侵害に該当すると権利者が訴えれば著作権侵害は成立します。侵害が認められるとサイト閉鎖はもちろんのこと、懲役、罰金などの罰則も考えられるので絶対に著作権侵害に該当する行為は決しておこなわないようにしましょう。

      まとめ:Webサイト運営者は正しい引用方法を理解すべき

      サイト制作者は特に、画像や文章の引用ルールを正しく認識しておく必要があります。良いコンテンツを提供するサイトを運営していても、1つでも著作権侵害に該当する行為が見つかってしまうとサイトの信用性をなくし、最悪の場合はwebサイトを閉鎖しなければなりません。本記事を参考に、今一度正しい引用・参考文献の使用方法を検討してください。